電磁流体工学講座
Electro-Magnetic Fluid Engineering


本講座では、中性子や高エネルギーイオンなどの量子ビームを用いた「量子(核)科学」という新しい分野の研究に取り組んでいます。将来のエネルギー問題を見越した、核融合炉などの量子エネルギー研究に加え、加速器などから発生する量子線を利用した中性子科学、量子ビーム応用工学や核医学にまで及ぶ、様々な量子科学研究を行っています。また、大阪大学唯一の中性子線で、全国的にも稀少な施設である協力14MeV中性子工学実験装置(名称 オクタビアン)を使った核融合に関する実験的研究も行っています。



主要研究テーマ
量子エネルギー創生に関する理論的・実験的研究
量子エネルギーは、地球温暖化問題の解の1つになりうると考えられています。我々の研究室では、原子核からのエネルギー(量子エネルギー)の取り出しを目指し、理論的・実験的研究に取り組んでいます。現在は、核融合炉技術を応用した、核融合・核分裂ハイブリッド炉という新しい量子エネルギー源に関する研究を行っています。
中性子を用いた量子科学研究
中性子はあまり良いイメージを持たれていないようですが、次の研究テーマにもありますように医学にも応用されており、その挙動を知る研究は重要です。我々の研究室では、中性子の輸送、計測、物質との相互作用等、中性子を深く知るための基礎研究を行っています。また、中性子源についての研究や核融合研究の重要な部分を占める核融合中性子工学研究にも取り組んでいます。
量子線を用いた核医学のための基礎研究
量子線は、医学分野でもX線CT(X線を用いた断層撮像装置)やPET(陽電子放出原子核を用いた断層撮像装置)などに使用されていることは良く知られています。我々の研究室では、量子線を用いたこれら核医学機器の開発や応用に関する基礎的な研究を進めています。また、がん治療などに威力を発揮するBNCT(ホウ素中性子捕獲療法)用中性子場の開発研究にも取り組んでいます。
高エネルギー加速器・量子ビームを用いた応用工学
加速器から発生する高エネルギーのイオンビームやγ、X線等の量子線は発生方向や強度、発生時間を制御できるといった利点があり、その透過性や反応性を生かしてX線診断やがん治療といった医療分野のみならず、殺菌処理や非破壊検査、材料の極微量分析、表面元素分析と微細加工など工学的分野にも広く応用されています。このように、量子線の応用分野が広がるにつれ、様々な種類の量子線、量子ビームを高精度に測定するための検出器や高い計測技術が必要となります。我々の研究室では量子ビーム計測技術の高度化を目指し、量子ビームと物質の相互作用を多角的により詳細に調べることのできる計測技術の研究開発を行っています。また、その研究成果やこれまでに蓄積された技術を系統的に発展させ、量子ビームの新しい工学的応用を探求しています。
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