日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(S)  平成27年度~令和元年度

 

Super-penetrationを用いた高速点火の加熱検証

Proof of fast ignition scheme using Super-penetration of laser light

 

研究代表者:田中和夫(大阪大学 先導的学際研究機構)

 

研究メンバー:羽原英明(大阪大学 大学院工学研究科)

        長友英夫(大阪大学 レーザー科学研究所)

          坂上仁志(核融合科学研究所 ヘリカル研究部)

       城崎知至(広島大学 大学院工学研究科)

 

 

0.レーザー核融合研究の現状

/var/folders/wg/jsqwp4hs1q171bcsblx7w0d00000gn/T/com.microsoft.Word/WebArchiveCopyPasteTempFiles/image002.png 米国リバモア研究所で研究が続けられている間接照射・中心点火方式のレーザー核融合研究は流体不安定性の制御に非常に大きなレーザーエネルギーが必要であり、まだ点火の目処が立っていない[1]。そこでトータルのレーザーエネルギーを低減するために爆縮過程と点火過程を分離するアイデアが考えられ、点火を行ういくつかの方法が精力的に試みられており、その中でも代表的なものが衝撃点火(Shock Ignition)[2]と高速点火(Fast ignition)[3]方式である。衝撃点火は燃料ターゲットを爆縮するレーザーの時間波形を精密に制御し、パルスの最後で強い衝撃波を生み点火を起こさせることを目指している。しかし衝撃点火はレーザープラズマ不安定性の励起が不可避であり、それをどのように抑制・制御するのかがキーポイントとなる。高速点火は爆縮された燃料ターゲットに高強度レーザーを照射し、相対論的レーザープラズマ相互作用で生成する高エネルギー粒子(主に高速電子)で燃料を加熱する手法である。我々の行った金コーン光ガイドを用いたProof-of- Principle実験(右図)の成功で一気に現実味を帯びたが[4]、その後の加熱レーザーエネルギーの増大によるプレパルス等の問題により、高強度レーザーエネルギーから核融合エネルギーへの変換効率の低下が課題となっている[5]上、ターゲット構造が複雑化し、商用炉を見据えた際にコストの上昇が懸念されている。

 

これらを解決する手段として、我々は臨界密度を超えてレーザーが伝搬するスーパーペネトレーション現象を見出し[6]、それを高速点火に適応することでレーザー核融合の実現を目指している。この方式ではプリパルスの有無に関係無くコア加熱を行うため、金コーンのガイドは使わず、プラズマ中を自己集束・伝搬するレーザーをレーザーパルス自身のプラズマ導波路形成および加熱ビームとして利用する。1018 W/cm2 以上の集光強度を持つ高強度レーザーパルスは、プラズマ中において自己集束という非線形現象を誘起し、レーザー光圧力であるポンデロモーティブ力によりプラズマ電子を排出し、導波路を形成して伝搬する。通常臨界密度プラズマでレーザー光は反射される。しかし、1018 W/cm2以上の強度を持つレーザー光は、その電場によりプラズマ電子を光速程度に加速し、相対論効果による質量変調により実質的臨界密度を上げることで古典的臨界密度以上の領域に侵入出来る。この物理に基づき我々は、10 倍の臨界密度を持つプラズマを貫くSuper-Penetration(SP)モードが実在することを発見した[7]。つまり SP モードを爆縮プラズマに適用し、高密度に爆縮された燃料コア近傍まで加熱用レーザービームが進入し、コアへの加熱が可能である事を強く示唆した。

 

 

数々の学会及び論文による成果発表及び受賞歴は、欧米の研究機関の関心を喚起し、Ecole Polytechnique(EP:)University of Rochester(UR:との共同研究に発展した。実験は阪大が主導して、数年来EP, UR, 阪大のレーザー装置を使って実施している。是までの研究実績と申請研究内容が斬新であり成果が確実に挙がる点が評価されてこの数年続けてこうした研究施設でレーザーマシンタイムが認可されるに至った。SP手法を用いる高速点火実験提案は、我が国からのオリジナルである。EP/URに加えて欧米中の複数の研究機関も共同研究を速やかに進める希望を持っており、UR レーザー研所長 RL McCrory 教授(当時)からは、この手法の有効性を認め、共同研究で本申請内容の DT 燃料加熱研究を実施するよう強い支持が示された。

 

 

1.スーパーペネトレーション

スーパーペネトレーションとは相対論的自己収束現象によって加熱レーザーがより高強度化し、相対論的異常透過現象によって超臨界密度領域深部へ侵入していく現象である。現在想定されている点火級爆縮プラズマではレーザーが伝搬可能な臨界密度は中心より1mm近く手前にあり、臨界密度点で生成される高速電子は燃料まで長距離伝搬する必要がある。しかし通常爆縮プラズマは急激な電子密度上昇を伴う燃料コアを持ち、例えば10Ncからコア中心までは200µm程度である。したがって、高強度レーザーを相対論効果によりせいぜい数倍の高密度領域に伝搬させることで効率的な加熱が期待できる。此処までに小さいスケール長(100µm)の平面プラズマ及爆縮プラズマで SP の有効性を立証した。

下図は大阪大学レーザー科学研究所の大型レーザー装置、激光12号を用いた実験結果を示している。左側は平板ターゲット上にキロジュールクラスの高エネルギーレーザーを照射して長スケールプラズマを生成し、そこに相対論強度の高強度レーザーを照射した際の様子を、X線ピンホールカメラで側面より観測した結果である。発光イメージは主に高強度レーザーが生成する高エネルギー電子(高速電子)が、高密度である残留固体平板と相互作用した際に生成したX線を観測しており、通常この高速電子は広い発散角を持つために3つの図の左右のような縦方向に一様な信号を示すはずが、ある条件のみ局所的な信号増加を示すことがわかった。これはその条件でレーザーがプラズマ中に侵入し、固体領域近傍まで伝搬した後に高速電子を生成したことを示唆する。右側はこのSPモードを確認するため、薄膜ターゲットで薄い超臨界密度プラズマを生成した後、高強度レーザーを照射し、プラズマとの相互作用の様子をX線計測した結果である。左図の実験のSPモードが発生する照射条件でのみ、図のようなレーザー侵入軸からプラズマが排斥されたプラズマチャンネルと考えられる信号が計測され、またこの場合のみ透過率数%の透過光信号を得た。この2つの実験により、高強度レーザーをある条件で照射することで、臨界密度を超えてレーザーがプラズマ中を侵入することが示された。


 

2.本研究課題の目標

以上の結果を踏まえ、本研究課題ではこれを高速点火レーザー核融合に適応し、SPモードを用いた爆縮プラズマの燃料加熱を検証することを目標とする。具体的には

(1)1ピコ秒もしくは10ピコ秒のレーザーを使い、SPを大規模スケール(=点火プラズマ級(スケール~1mm))の平面プラズマで実証し、加熱実験に向けた特性評価・最適化を行う。

(2)爆縮を伴う点火級大規模スケールのプラズマで SPの有効性実証を行い、燃料コアの加熱を検証する。

本研究によって得られる成果は高速点火方式が実際に機能する証明となり点火条件を確立することが出来る。さらに研究過程での相対論電子のエネルギー輸送などの成果は、プラズマ非線形物理、粒子加速、実験室宇宙物理、状態方程式、極限物質創成など複数のプラズマ科学分野へ新規の知見と理解を与え、大きく貢献することが可能となる。

 

 

3.おもな研究成果

 

a. 高強度レーザーのミリメートル長コロナプラズマ伝搬

前述したように、点火級爆縮プラズマではレーザーが伝搬可能な臨界密度面は中心から1mm 程度にあり、その周りはコロナプラズマで覆われている。臨界密度(Nc)面から1/10Nc密度の間でも数ミリあり、加熱レーザーはこの比較的高い密度の領域でフィラメント不安定性やホージング不安定性などが成長し、伝搬が阻害される可能性が指摘されていた。我々は米国ロチェスター大学における国際共同実験を実施し、この様なプラズマ中における高強度レーザーの伝播の様子を観測した。下図左側は実験のセットアップを示しており、高強度レーザーが作るプラズマチャンネル(導波路)を新しく開発した角度フィルターを用いて計測を行った。右側はその実験結果で、リング状のパターンは角度フィルターの開口を通って検出器上で検出されたプローブ光信号を示しており、画面上の信号位置がプローブの屈折角度、つまりプローブが通ってきたプラズマ密度に対応している。右側2つの中央付近のリング状構造が崩れた位置はプラズマチャンネルが存在する領域であり、レーザー条件を最適化することでミリメートル長のコロナプラズマ中に単一プラズマチャンネル(導波路)が臨界密度まで形成されることを明らかにした。さらに形成されたプラズマチャンネルに追加して高強度レーザーを照射し、チャンネル内を伝搬して臨界密度までレーザーエネルギーが伝搬することを示した[8]

 


さらにレーザーやプラズマの条件を変化させ、プラズマチャンネル形成の最適化を行った。下図は生成する高エネルギー爆縮レーザーのパルス波形を任意に調整し、高強度レーザーを照射するタイミングのコロナ領域のプラズマの温度が200eV程度、または800eV程度(下図中央。ただしプラズマ密度分布はほぼ同一)になるよう制御した場合の実験結果である。図中の白い四角枠が初期の平板ターゲット位置を示しており、プラズマは図の左方向に吹き出し、そのプラズマに対し高強度レーザーが左側から右向きに照射された。左の低温プラズマではレーザーが臨界密度まで到達していないが、右の高温プラズマでは臨界密度に達している。またその下のグラフはターゲット裏面で計測したレーザー軸上の高速電子のエネルギー分布であり、横軸が電子エネルギーを示している。明らかに右の高温プラズマでは高エネルギーの電子が生成されているが、左の低温プラズマでは高速電子の生成が抑制されていることがわかった。これらの結果を踏まえた解析により、低温プラズマでは衝突フィラメント不安定性等より高強度レーザーエネルギーが伝搬過程で散逸され、プラズマチャンネルの形成がうまく行かなかったと推測された[9]

 


この結果をベースに高強度レーザーの照射位置、パルス幅を変化させて同様の計測を行い、エネルギー輸送と高速電子生成を最大化するにはコロナプラズマ温度を高温に保ち、0.1倍の臨界密度近傍に照射するのが望ましいという高強度レーザーの条件とプラズマの条件を明らかになった。このことは高速点火レーザー核融合には単に高密度なコアというだけでなく、その密度・温度プロファイルを制御することが必要であることが判明した重要な結果となった。

 

b. 高強度レーザーの超臨界密度プラズマ伝搬

スーパーペネトレーションでは高強度レーザーが超臨界密度に侵入して燃料コアに近づく必要があり、超臨界密度中における伝搬の様子を詳細に調べることが重要な研究課題である。下図の実験セットアップに示すように、我々はフランス・エコール・ポリテクニーク・LULIELFIE100TWレーザーを用い、下図左側の実験セットアップのように、低密度プラスチックフォームターゲットを用い、長さ約300µmの臨界密度一様プラズマを生成し[10]、高強度レーザーを照射してその伝播の様子を調べた。後方散乱光のスペクトル計測より強い赤方偏移を観測した。これは臨界密度以上のプラズマを高強度レーザーがある速度で伝搬していることを示し、SPモードが臨界密度以上のプラズマでも存在することを示す重要な実験結果である。この現象を解析するため、我々は高強度レーザーの強いポンデロモーティブ力でその前面のプラズマを押し、それに伴う温度上昇と密度上昇を考慮したレーザー伝搬モデルを構築した[11]。その理論による伝搬速度と、ドップラーシフトから見積もられる伝搬速度(光速の60%程度)が一致し、また粒子シミュレーションの結果でも、レーザーが超臨界密度プラズマ中をその速度で伝搬することが示され、その反射光スペクトルが実験結果とほぼ一致することを見出した(下図右下)。これらの成果により、我々の開発した解析モデルをベースに、点火級の大きなプラズマにおいて必要な大きさのプラズマチャンネルを形成するレーザー条件を見積もることが可能となった[12]

 


c. 新並列化手法を用いた大規模粒子シミュレーションコード開発

本研究課題の実証のためには大型レーザー装置を用いた実験が必須だが、そのような装置は世界中でも数が限られており、実験に使用できる期間、機会は非常に限られている。そのため、行う実験の目標に対し、それが最も達成出来ると考えられる実験条件(レーザー強度、照射位置、照射タイミングなど)を予め推定することは非常に大切な課題である。我々は実験で用いる大規模爆縮プラズマ(固体密度以上、ミリメートル空間スケール、数10ピコ秒)を取り扱うことが出来る粒子シミュレーションコードの開発を本研究課題当初より行ってきた。現実的な時間で計算を終了させるために、大型スーパーコンピュータ(核融合科学研究所プラズマシミュレータ等)を用い、さらに効率的に計算するために超並列化技法である動的負荷分散手法を導入し、従来手法より最大10倍の高速化の実現に成功した。下図は開発したシミュレーションの計算例を示しており、上記課題(2)におけるロチェスター大学での実験を実スケール計算したものである。左図は計算条件を示しており、ミリメートルサイズでかつ最大密度が数倍の臨界密度を持つプラズマを配置し、レーザープラズマ相互作用を10ピコ秒に渡って計算したところ、計算時間はおよそ数時間であった。中央と右の図は計算開始から約8ピコ秒後の電子密度分布とレーザーの電場強度分布を示しており、電子密度の図ではプラズマチャンネルの形成が確認され、さらに電場強度では相対論的自己収束によるレーザー電場強度の増大が見られ、どちらも臨界密度を超えてレーザーが伝搬する、SPモードが確認できている[13]

 


d. 球状爆縮プラズマへの加熱計測

大阪大学レーザー科学研究所付属の大型レーザー装置を用い、同研究所及び米国カルフォルニア大学の研究者らと共同で、球状プラスチックターゲットを用いた爆縮プラズマ中でのSPにおける加熱の有効性の実証実験を行った。プラスチックターゲットに少量の銅イオンを添付し、高速電子が銅イオンと衝突する際に放出する銅特性X線イメージを計測した。計測手法から時間積分イメージとなるが、高強度レーザーで生成する高速電子の時間幅であるピコ秒程度の時間分解能は有している。下図は左から高強度レーザー未照射、爆縮プラズマ密度が最も高くなるタイミングより-0.4ns、0ns+2.0nsのタイミングで高強度レーザーを入射したときに計測したイメージである。矢印は高強度レーザーの照射方向を示し、左側から右に向かって照射されている。これらのタイミング計測の結果、高強度レーザー照射時点での爆縮プラズマの大きさに依存したX線の発光領域の増減が見られ、特に最大爆縮時では形成されたコア領域の大きさにほぼ等しい大きさの発光が見られ、本計測にて実際に高速電子がプラズマを加熱している様子を初めて計測することに成功している[14]。我々はこの特性X線の発光強度から、高強度レーザーから高密度プラズマへの加熱効率(エネルギー結合率)を見積もる手法を上記米国カルフォルニア大学の研究者らと共同開発しており[15]、その結果、本実験における結合率はおよそ1%程度であることがわかった。

 


この結合率は以前の金コーンを用いた実験に比べてそれほど大きくなく、他の高速点火手法に比べて本手法の利点とならない。そこでこの要因を解析すると、2つの可能性が示された。1つ目はプラズマの面密度が点火級の大きなプラズマよりも大分低く、生成される高速電子がほとんどエネルギーを付与せずに通り抜けることが原因であることがわかった。大きな爆縮プラズマを生成するにはメガジュール級の爆縮レーザーエネルギーを持つ米国国立点火装置(NIF)やフランス・レーザーメガジュール(LMJ)などの装置が必要であり、そのような爆縮プラズマを用いた実験・研究は本研究課題の範囲外であり、本研究課題で加熱メカニズムを明らかにした後、シミュレーション等を用いた実験設計行い実験提案をしていく予定である。もう一つの要因は予想されるよりも高速電子の放出角度が大きい可能性があることである。(1)で示したプラスチックフォームを用いた実験においては、発散角は10度程度と見込まれたが、この爆縮プラズマを用いた実験においては100度近くまで広がっている可能性が示された。

 

 この大きな角度広がりを抑制するため2つの手法について研究をd進めた。

 

d-1. ダブルパルス法によるプラズマ密度勾配の制御

上記実験において、最大爆縮時から2.0ns後に高強度レーザーを照射した際(上図右端)のビーム広がりが約30度程度と見積もられ、最大爆縮時での100度と大きく異なる結果が示しされた。シミュレーションを用いた解析の結果、下図に示すように高速電子が生成する臨界密度近傍の密度プロファイルが急峻(青線)な場合、ポンデロモーティブ力によりプラズマをより前方に押し込むことで、下図右に示すように収束された電子ビームが生成されることが示された(横軸角度、縦軸電子個数)。これは研究成果(1)で示したフランスでの実験における電子ビームの放出分布にも傾向が一致する。このことより、高強度レーザーを2つのパルスに分離し、最初のパルスはプラズマチャンネルを作りつつチャンネル内の背景電子を排除し、チャンネル先端で急峻な密度勾配を生成することで、2番目の高強度レーザーで生成する電子ビームを低い角度広がりとなる可能性が示された。


d-2. 抵抗性自己生成磁場による高速電子発散角の抑制

電流が電気抵抗率の異なる2つの金属物質層中を伝搬すると、抵抗率の勾配に依存した磁場が発生し、それによって電流を高抵抗率金属の領域に閉じ込めることができることが報告されている。そこで 我々はプラスチック中実球に金属(Ni)ワイヤーを挿入し、高強度レーザー照射時にプラスチックと金属の抵抗の勾配により発生する自己生成磁場を用いることで高速電子の発散を抑え、加熱効率を向上させる研究を行った。上図はその実験結果を示したものであり、同様に1%程度添付された銅イオンからの特性X線発光イメージである。左から高強度レーザー未照射、中央がワイヤ挿入なしで高強度レーザーを照射した場合、右がNiワイヤを挿入したターゲットを爆縮し、高強度レーザーを照射した際の発光イメージである。ワイヤが挿入された場合、コア領域からの発光強度及び発光面積が広がることが確認できた。X線分光計測も同時に行い、プラズマが加熱されたことを示唆する高エネルギー領域へのスペクトルシフトが観測された。シミュレーションを用いた詳細な解析により、最大数100テスラの磁場が生成し、それによりコア領域を通過する高速電子が最大50%程度増加した可能性が示された。


4.研究成果の学術的意義や社会的意義

点火級の大規模プラズマに対し、プラズマチャンネルを安定的に形成し、核融合点火に必要なエネルギーを燃料コア近傍まで輸送可能なことを示した。更に効率的に加熱する手法を開発し実用レベルの加熱効率が実現可能である見通しがたち、本研究課題の有用性と核融合エネルギー実現の道筋を示すことができた。

 

参考文献

[1] O.A. Hurricane, et al., Nature 506, 343 (2014); D. Clery, Science 343 (2014) 721.

[2] R. Betti, C. D. Zhou, K. S. Anderson, L. J. Perkins, W. Theobald, and A. A. Solodov, Phys. Rev. Lett. 98, 155001 (2007).

[3] M. Tabak, J. Hammer, M.E. Glinsky, W.L. Kruer, S.C. Wilks, J. Woodworth, E. Michael Campbell, M.D. Perry and R.J. Mason, Physics of Plasmas 1 (1994) 1626.

[4] R. Kodama, et al., Nature 412 (2001) 798; R. Kodama, et al., Nature 418 (2002) 933.

[5] A.G. MacPhee, et al., Physical Review Letters 104 (2010) 055002.

[6] K.A. Tanaka, et al., Physics of Plasmas 7 (2000) 2014.

[7] A.L. Lei, et al., Physical Review E 76 (2007) 066403.

[8] S. Ivancic. Phys. Rev. E 91 (2015) 051101.

[9] L. Ceurvorst, et al., Phys. Rev. E 97 (2018) 043208.

[10] S.N. Chen, et al., Sci. Report 6 (2016) 21495.

[11] T. Iwawaki, Phys. Rev. E 92 (2015) 013106.

[12] H. Habara, et al., J. Phys. Conf. Ser. 717 (2016) 012019.

[13] H. Habara, Proc. Direct Drive and Fast Ignition Workshop, Rome, Italy (2019).

[14] T. Gong, H. Habara, et al., Nature Commun. 10 (2019) 5614.

[15] L.C. Jarrott, et al., Nature Physics 12 (2016) 499-504

 

5.本研究課題による主な発表論文

·       “Direct observation of imploded core heating via fast electrons with super-penetration scheme,” T. Gong, H. Habara, K. Sumioka, M. Yoshimoto, Y. Hayashi, S. Kawazu, T. Otsuki, T. Matsumoto, T. Minami, K. Abe, K. Aizawa, Y. Enmei, Y. Fujita, A. Ikegami, H. Makiyama, K. Okazaki, K. Okida, T. Tsukamoto, Y. Arikawa, S. Fujioka, Y. Iwasa, S. Lee, H. Nagatomo, H. Shiraga, K. Yamanoi, M. S. Wei, K.A. Tanaka, Nature Commun. 10 (2019) 5614.

·       "A ten-inch manipulator (TIM) based fast-electron spectrometer with multiple viewing angles (OU-ESM) ," H. Habara, T. Iwawaki,  T. Gong, M. S. Wei, S. T. Ivancic, W. Theobald, C. M. Krauland,  S. Zhang, G. Fiksel, and  K. A. Tanaka, Rev. Sci. Instrum. 90 (2019) 063501.

·       “Channel optimization of high-intensity laser beams in millimeter-scale plasmas,” L. Ceurvorst, A. Savin, N. Ratan, M.F. Kasim, J. Sadler, P.A. Norreys, H. HabaraK.A. Tanaka, S. Zhang, M.S. Wei, S. Ivancic, D.H. Froula and W. Theobald, Phys. Rev. E 97 (2018) 043208.

·       “Transport and spatial energy deposition of relativistic electrons in copper-doped fast ignition plasmas,” L.C. Jarrott, C. McGuffey, F.N. Beg, A.A. Solodov, W. Theobald, B. Qiao, C. Stoeckl, R. Betti, H. Chen, J. Delettrez, T. Doppner, E.M. Giraldez, V.Y. Glebov, H. Habara, T. Iwawaki, M.H. Key, R.W. Luo, F.J. Marshall, H.S. McLean, C. Mileham, P.K. Patel, J.J. Santos, H. Sawada, R.B. Stephens, T. Yabuuchi, M.S. Wei, Physics of Plasmas, 24, 102710 (2017).

·       “Confirmation of hot electron preheat with a Cu foam sphere on GEKKO-LFEX laser facility,” T. Gong, H. Habara, Y. Uematsu, Y. Hayashi, S. Kawazu, Y. Kubota, T. Matsumoto, S. Nakaguchi, S. Noma, T. Otsuki, A. Tsujii, K. Yahata, Y. Yoshida, Y. Arikawa, S. Fujioka, H. Nagatomo, H. Shiraga, C. Mcguffey, C.M. Krauland, M.S. Wei and K.A. Tanaka, Physics of Plasmas, 24, 112709 (2017).

·       “Magnetic field generation during intense laser channelling in underdense plasma,” A.G. Smyth, G. Sarri, M. Vranic, Y. Amano, D. Doria, E. Guillaume, H. Habara, R. Heathcote, G. Hicks, Z. Najmudin, H. Nakamura, P.A. Norreys, S. Kar, L.O. Silva, K.A. Tanaka, J. Vieira and M. Borghesi, Physics of Plasmas, 23, 063121 (2016).

·       “Efficient energy absorption of intense ps-laser pulse into nanowire target,” H. Habara, S. Honda, M. Katayama, H. Sakagami, K. Nagai and K.A. Tanaka, Physics of Plasmas, 23, 063105 (2016)

·       “Analysis of plasma channels in mm-scale plasmas formed by high intensity laser beams,” R. Murakami, H. Habara, S. Ivancic, K. Anderson, D. Haberberger, T. Iwawaki, H. Sakagami, C Stoeckl, W. Theobald, Y. Uematsu and K.A. Tanaka, Journal of Physics: Conference Series, 717, 012039 (2016).

·       “Visualizing Fast Electron Energy Transport Into Laser-Compressed High-Density Fast-Ignition Targets,” L.C. Jarrott, M.S. Wei, C. McGuffey, A.A. Solodov, W. Theobald, B. Qiao, C. Stoeckl, R. Betti, H. Chen, J. Delettrez, T. Döppner, E.M. Giraldez, V.Y. Glebov, H. Habara, T. Iwawaki, M.H. Key, R.W. Luo, F.J. Marshall, H.S. McLean, C. Mileham, P.K. Patel, J.J. Santos, H. Sawada, R.B. Stephens, T. Yabuuchi and F.N. Beg, Nature Physics, 12, 499-504 (2016).

·       “Density and Temperature Characterization of Long-Scale Length, Near-Critical Density Controlled Plasma Produced from Ultra-Low Density Plastic Foam,” S.N. Chen, T. Iwawaki, K. Morita, P. Antici, S.D. Baton, F. Filippi, H. Habara, M. Nakatsutsumi, P. Nicolaï, W. Nazarov, C. Rousseaux, M. Starodubstev, K.A. Tanaka and J. Fuchs, Scientific Report, 6, 21495 (2016).

·       “Propagation of intense short-pulse laser in homogeneous near-critical density plasmas,” H. Habara, S. Nakaguchi, Y. Uematsu, S.D. Baton, S.N. Chen, J. Fuchs, T. Iwawaki, M MacDonald, W. Nazarov, C Rousseaux and K.A. Tanaka, Journal of Physics: Conference Series, 717, 012019 (2016).

·       国際会議招待講演 4件

·       国際会議報告 12件

·       国内学会発表 8件

 

6.国際協力メンバー

Tao GongCEAP, China

A.L. LeiShanghai Institute of Laser Plasma, China

S. Ivancic D. Haberberger, K. Anderson, R. S. Craxton, D.H. Froula, D. D. Meyerhofer, C. Stoeckl, W. Theobald (LLE, U. Rochester, USA)

F.N. Beg, C. Mcguffey (University of California, San Diego, USA)

M.S. Wei (General Atomics, USA)

S.D. Baton, S.N. Chen, J. Fuchs (LULI, France)

C. Rousseaux (CEA, France)

L. Ceurvorst, P.A. Norreys (U. Oxford, UK)

H. Shiraga, S. Fujioka, Y. Arikawa (ILE, Osaka Univ., Japan)

 

 

 


*開催報告

 

R1スーパーペネトレーション研究会

日時:20199月5日、6日

場所:ホテル&リゾーツ長浜 会議場・末松

1.阪大スーパーペネトレーション実験報告:羽原

2.大規模粒子シミュレーションの開発:坂上

3.爆縮コア最適化のためのシミュレーション:長友

4.抵抗性磁場評価とエネルギー輸送:城崎

5.ワイヤターゲットを利用した高速点火実験:牧山

6.負荷分散技法を用いた大規模PICシミュレーションコードの開発:沖田

7.米国ロチェスター大学におけるスーパーペネトレーション実験:羽原

8.プラスチックフォームを用いたイオン加速:延命

9.回折格子を用いた高強度場の生成:阿部

10.討論及び評価

11.基盤S終了後の将来計画議論

 

H30第1回スーパーペネトレーション研究会

日時:2018820日(月) 10:30-12:00

場所:大阪大学大学院工学研究科電気棟E6-314

1.基盤S研究の進捗状況:田中

2.抵抗性自己生成磁場による電子収束:春日井

3.ロチェスター大学実験結果報告:羽原

4.その他

 

H302回スーパーペネトレーション研究会

日時:2018912

場所:大阪大学大学院工学研究科電気棟E6-314

1.阪大レーザー研における実験結果報告:羽原

2.抵抗性自己生成磁場による電子収束の最適化:春日井

3.来年度計画議論